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京都大学・京都市観光協会・プレイド、「DMOとしての観光マーケティング手法」に関する共同研究の公開報告会を実施

「KARTE」を活用し、「観光客の分散化につながる情報行動の変容」を明らかに

国立大学法人京都大学経営管理大学院(京都市左京区:院長 原良憲、以下 京都大学とする)と公益社団法人京都市観光協会(京都市中京区:会長 柏原康夫、以下 京都市観光協会とする)が実施し、株式会社プレイド(東京都中央区:代表取締役CEO 倉橋健太)が参画している「DMOとしての観光マーケティング手法」に関する共同研究プロジェクトについて、その成果の公開報告会を行いました。

本共同研究では、京都市において観光客が特定箇所に集中する傾向に対して、その分散化を促すためにDMOとして行うべき情報提供に関するマーケティング手法の実験を実施しています。京都市観光協会が運営する公式ウェブサイト(京都観光NaviおよびKyoto Official Travel Guide)に当社のCXプラットフォーム「KARTE」を導入し、多様なデータによって観光客の行動を可視化・把握することを通じて、この研究課題の探求に取り組みました。観光客一人ひとりの多様性に応じた情報提供を行うことで、観光客の旅先分散化を促す要因や条件などを考察しています。

本共同研究では、観光客の満足度を上げながら、同時に京都観光における混雑の緩和、観光客の分散化を促すことを通じて、京都の「持続可能な観光」実現の一助となることを目指しています。

 

共同研究プロジェクト研究成果要旨

本共同研究は、観光客の使用言語に応じて、「日本語」「英語」「中国語」を3つのチームを組成し展開しています。それぞれのチームの研究成果要旨は以下の通りです。

日本語チーム

京都の有名観光地のオーバーツーリズム解消には、「旅行前に適切な情報を与えることが有効」であることがわかった。嵐山や伏見稲荷を訪れた日本人観光客へのインタビュー調査では、「事前に混雑情報や穴場情報などを知っていれば行先を変更する可能性があった」と回答した人が38%であった、そこで「京都観光Navi」の有名観光地ページを閲覧している旅行前の観光予定者に情報提供を行い、サイト内行動(回遊)の変化を検証した。その結果、情報提供は行先変更の可能性を高めることがわかり、さらに清水寺などの特定エリアでは効果が出やすいという傾向も示唆された。

英語チーム

リサーチクエスチョンは「英語を使用言語とする外国人観光客にどのように情報発信すれば、交通手段に対する意識に変化をもたらすことができるか」である。そこで、①提示する交通情報のトーンが「ポジティブかネガティブか」によって観光客の意識に変化は生じるか、②提示するページによって交通に関する意識が変わるのかがどうか、を検証した。その結果、「ストレスのない旅行を」というポジティブなトーンよりも、「混雑情報というネガティブなトーンの情報の方がクリック率は増加傾向にあること、また、同じ交通チケット情報であってもそれを提示するページによりクリック率に差が出ることがわかった。

中国語チーム

昨今の中国からの訪日観光客の著しい増加が、京都市観光名所・主要交通機関における混雑の一因である。そこで、訪日中国語圏観光客を対象としてフィールドワークと実証実験を行った。「Kyoto City Official Travel Guide」の簡体中国語版および繁体中国語版のサイト来訪客に対し、京都の混雑情報とおすすめのマイナースポット情報を提示し、来訪客の関心度を測定した。実験の結果、訪日中国語圏観光客の混雑回避意識を高めるためには、マイナースポットの紹介よりも、事前の混雑情報提示の方がより効果があることがわかった。

 

DMOとは

DMOとはDestination Management/Marketing Organizationの略です。観光庁は日本版DMOを、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人と定義しています。

日本版DMOが必ず実施する基礎的な役割・機能(観光地域マーケティング・マネジメント)としては、
1. 日本版DMOを中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成
2. 各種データ等の継続的な収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPIの設定・PDCAサイクルの確立
3. 関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組み作り、プロモーション
が挙げられます。

参考:観光庁「日本版DMOとは?」
http://www.mlit.go.jp/kankocho/page04_000048.html

 

国立大学法人京都大学 経営管理大学院について http://www.gsm.kyoto-u.ac.jp/ja/

京都大学は、日本を代表する総合大学として10学部に加え、充実した大学院や全国一を誇る研究所群を擁しています。また、「対話を根幹とする自学自習」によって 創造の精神を涵養する世界最高水準の学びの場を提供しています。これまで累計で202,725 名の卒業生を世に送り出し、多くの卒業生が学術分野のみならず、産業界、官界など様々な分野で活躍しています。経営管理大学院は、2006年に京都大学に新規に開設されたMBA学位での専門職大学院となります。

京都大学経営管理大学院では、「世界の観光都市・京都」において観光経営の高度化を狙いとした観光経営科学コースを平成30年4月より開設しました。観光分野の公的機関や民間企業で働く方々を対象にして、経営の基本的な考え方を学ぶと共に、観光地や観光事業の経営の仕方について国際的な文理融合の観点から現場主義で学ぶものです。なお、本コースの開発は、観光庁の「観光経営マネジメント人材育成」政策の一環によるものであり、日本語の講義を中心とした国際的に認証された経営学修士(MBA)プログラムです。

 

公益社団法人京都市観光協会について https://www.kyokanko.or.jp/kaiin/

京都市観光協会は、京都市における観光政策・事業推進の中核的な役割を担い、日本版DMOのロールモデルとして世界の観光をリードするエキスパート集団を目指しています。文化財活用、伝統行事振興、通訳ガイド育成、メディア取材支援、観光案内所運営、語学研修、決済環境整備、マーケティング調査など、さまざまな取組を通して、観光観連事業者の経営活動を支援し、持続可能で満足度の高い国際文化観光都市の実現を目指しています。

 

KARTEについて https://karte.io/

「KARTE」は、ウェブサイトやアプリを利用するお客様の行動をリアルタイムに解析して一人ひとり可視化し、個々のお客様にあわせた自由なコミュニケーションをワンストップで実現するCX(顧客体験)プラットフォームです。2015年3月にサービスを開始しました。

高い拡張性を備えており、オンサイトに限らず様々なシーンでのマーケティング課題やニーズに合わせた活用が可能です。KARTEは、あらゆるデータを個客軸で統合・解析することで圧倒的な顧客理解を可能とし、エンドユーザーにおける体験価値(CX)の向上を実現します。

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